月の明かりは・・・ルルは、いつものように月を見ていました。今夜は少し歩きながら、時々大きな木や葉っぱに隠される月を目で追っていました。 どんなに大きな木がたくさん並んでいても、 そのために、月の形がはっきり見えずにいても、 その明かりは葉っぱを通して、 木々の梢を通して、 ルルの足下を照らしました。 ルルがどこにいても、月はルルを探し出して、 そして明るく照らしてくれる。 ふと涙がこぼれ落ちました。 月を見上げて、 その暖かな明かりに照らされながら、 こぼれ落ちる涙を、 いつかは、誰かが気づいてくれるよね。 誰にも言えない気持ちは、 自分のことより誰かの気持ちを考えすぎて、 いつも後回し・・・ 言葉にするのが怖くて・・・ あの人は、今悲しい気持ちを抱えているから、 だからいつもより、少し優しい気持ちを忘れてるだけだから。 あの人の悲しい気持ちには、気づかないように笑ってお話をして、 あの人の気持ちが少しでも癒されるように、 それだけを思って、 あの人の悲しい気持ちには、気づかないふりをしなきゃいけない。 そして、それは自分が決めた生き方だから、 そのことで自分が傷ついちゃいけない・・・ 月は、変わらずルルを照らしていました。 まだまだ夜は明けないから。 今夜は、朝が来るまで、 月を見ていようかな。 ジャンル別一覧
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